さて、先日ポストしましたように、KDEのWindows版が暫定的にリリースされています。
で、せっかくだからってな訳でインストールしてみました。
詳しくはコチラのページを見て欲しいんですが、まだ日本語でのインストール記は少ないだろうと思うので誰かの役に立てばと人柱的メモ。
あ、統合デスクトップ機能は提供していないですし、今後も提供する気はないようです。KWinとかですね。また、Plasmaも提供するつもりはなさげ・・・? KDEアプリが利用できるようになると考える方が正解っぽいです。
さてさて、それではインストール方法を説明していきます。Mac版は分かりません^^; まず、このWindows用インストーラ配布ページにアクセスし、
「kdewin-installer-gui-latest.exe」
をDLしてください。こいつをDLできたら実行します。するとインストーラが起動します。インストール手順といいますか、作法はCygwinにそっくりです。そちらをインストールしたことのある方は分かりやすいかと思います。
まず、自身がエンドユーザなのか開発者なのかを選択します。自分でビルドしたいという訳でもなければEnd-userでよろしいかと。また、パッケージタイプは一番右をチェックしておけばいいと思います。エンドユーザであってもMinGWやMSVCを選択できますが、あんまり意味ないと思います。
さて、続いてKDE4のインストール先を指定します。公式サイトでは「C:\KDE4」を例として説明してありますので、ここでもそれに倣うとします。保存先は特に制限はありませんが、日本語を含むパスは避けた方が無難かと思います。
続いて、ダウンロードしてきたパッケージの一時保存先を指定します。これはどこでも構いませんが、私は「C:\KDE4Down」というディレクトリを指定しました。適当にどっか用意してください。
次に、パッケージをダウンロードするミラーを選択します。日本のミラーがいくつか登録されていますので、そこから選ぶとよいでしょう。基本的にはどこのミラーを選んでも同じパッケージ内容となっているはずです。
さて、ここから先はどのパッケージをDLするか、という選択画面です。パッケージは後からでも追加可能ですのでまずは最低限の構成で行うのもありかと思います。本家サイトの#Download needed packagesに最低限必要なパッケージリストがありますので、そちらを選択してください。
それに付け加えまして、dbus-msvc, kdebase-msvc, kdewin32-msvc, qt-msvc, vcredist、さらにkdebase等のKDEパッケージを選択します。KDEパッケージにはgameなどいくつかありますので、お好きなものを選択してください。
選択するパッケージですが、自前でビルドするつもりがないならbinaryの項目をチェックしてください。チェックマークがつくはずです。Sourceはエンドユーザには不要です。
以上でインストール自体は終了です。勝手にパッケージをDLしてきて、指定したインストール先に放り込んでくれます。パッケージ数が多いのでそれなりに時間はかかるかもしれません。
その間に、環境の方を設定します。KDEアプリのために、環境変数をいくつか追加します。まず、システム環境変数の「PATH」に
C:\KDE4
という項目を追加します。インストール先が異なる場合は各自の設定に合わせてください。
続いて、新規項目の追加を行います。変数名を
KDEDIRS
とし、内容には
C:\KDE4
と入力します。これでひとまずは準備OKです。インストーラが全部インストールを終えるまで待ちます。
無事インストールも完了し、環境変数の設定も終えましたら、C:\KDE4\bin以下にあるQtアプリやKDEアプリを実行してみましょう。例として、Kwrite.exeなどが実行できれば成功です(Kwrite.exeはテキストエディタです。日本語化はされていないですが、日本語入力は問題ありませんでした)。
それができましたら、コマンドプロンプトを起動(プログラムを指定して実行->cmd)しまして、
C:\KDE4\bin\update-mime-database C:\KDE4\share\mime
を実行します。大量の警告メッセージが出ますが、本家サイトによると、大抵のメッセージは無視しろ、だそうです(ぇ 唯一従った方がいいのは「XDG_DATA_HOME」と「XDG_DATA_DIRS」の環境変数をセットしろ、くらいみたいです。両方共に、
C:\KDE4\share
と指定したらよいみたい。ただ、こう指定したらXDG〜に関するメッセージが出なくなっただけで、意味があるのかよく分かっていません^^; 翻訳能力低くてごめんなさいOrz
続いて、
C:\KDE4\bin\kbyildsyscoca4 --noincremental
と実行すれば、必要なプロセスが自動実行されます。もしdisk fullというメッセージが表示されましたら、KDEアプリが何か実行されている状態のはずですので、そいつを一旦終了して先のコマンドを実行してください。これはKDEアプリを実行する前に1度実行しておく必要があるみたいです。実行してなくてもKDEアプリ起動しましたけどね^^;
以上で全行程終了です。後は適当にアプリ起動して遊んでください。まだパッケージ化されていない物もたくさんありますし、ビルドすらされていない物もあります。
個人的にはkdegraphicsが試してみたかったなぁ。これが一番おもしろそうなのに。amaroKはプロジェクト自体がWinへのポーティングを頑張ってるけど、バックエンドに何を使うつもりなんだろう・・・? しばらくは時間かかりそうだなぁ。
使ってみた感想ですが、まだまだ荒いです。そりゃまぁそうでしょうけれど、少なくとも今の状況では積極的に利用するメリットもないかな^^; インストールに手間はかかるし、使えるアプリがさほど珍しい物でもなく、Winで動かす必要性を感じないってところでしょうか。
エクスプローラに該当するDolphinは、起動はしたんですがパスをなぜか認識できませんで、使用感は不明。Konquerorは起動したんですが、窓にはIEありますし、Firefoxもあるのでちょっと珍しさには欠けるかな。
Kwriteは使い勝手相変わらず素敵ですが、このためだけにWinにKDEを入れるのは不毛過ぎます・・・。Winにも優秀なテキストエディタがフリーでありますから。
kdesdkのパッケージは用意されているので、Win向けのQtアプリやKDEアプリの作成はやりやすくなりそうです。開発者には有用かも。
Gameは入れてないのでちょっと分かりません。
kdegraphics、amarok、kofficeあたりはパッケージ化されていませんがビルドはできてるみたい(?)。これらがWin版KDEのキラーアプリとなるでしょう。こいつらの使い勝手によって、インストールする価値があるかないかが決まりそうです。特にkofficeはOpenoffice.orgに対する大きな代替候補となるのではないかと。Linuxではkofficeの方がはるかに動作が軽いです。
amarokもLinuxでは大人気のミュージックプレイヤー。iTunesに似ていますが、本家より使いやすいと評判。iPodも接続可能ですし、バックエンドの問題さえ解決できたらこれも楽しみなパッケージです。
とりあえず、今の段階では人柱です。しかし、動作している時点で驚きではありますね。Qtを利用したアプリは色々とありますが(OperaやSkypeなど)、KDEアプリがネイティブで動くんだからおもしろい。
今後、こうやってプラットフォームの垣根が低くなって行ってくれたらうれしいですね。SilverlightやAIRなど、プラットフォームを意識しないですむ環境はどんどん準備されてきてます。Linuxユーザとしてはうれしい限りでありますよー^^
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